ブックレビュー

レビュー『楕円とガイコツ』山下邦彦 著

(初出2002年4月9日)副題は「小室哲哉の自意識×坂本龍一の無意識」です。両者の作品の譜面とインタビュー記録を豊富に引用しながら、彼らの生み出す音楽の響きの秘密に迫ろうとする、類を見ない奇書...
ブックレビュー

レビュー『コンプリート・アレンジャー』サミー・ネスティコ著

(初出2002年4月9日)著者サミー・ネスティコはアメリカの著名なアレンジャーであり、カウント・ベイシー楽団の後期におけるアレンジを手掛けた他、テレビ音楽や映画音楽界の大御所と呼ばれる人物です...
ブックレビュー

レビュー『ブルー・ノートと調性』濱瀬元彦 著

(初出2002年4月9日)「硬派でクールな音楽理論書」とでもいうべき稀有な一冊です。本書は理工学書のような紙面構成をもった珍しい理論書であり、その内容もスケール(音階)の検証を緻密に重ねて行き...
エッセイ

デジタル環境での音楽制作と管弦楽法

(初出2008年12月10日)言葉の通り、管弦楽法とはオーケストラという演奏集団によって音楽を響き渡らせるための数々の経験則・方法ですが、ここではPC/DAWでオーケストラサウンドを用いる音楽...
エッセイ

作曲時の心の状態

(初出2009年6月26日)この文章は、自分の制作モードの心的状況を印象批評風の文章で書いてみる試みです──。己が仮想するものを具現化したいと渇望するとき、そしてその仮想が現実化のプロセスを流...
エッセイ

呪縛に想う

(初出1999年10月22日)過去、私が作曲をしていて思い煩う事が多かった呪縛と言えば、「表現したいことがあるのか」というものでしょう。これはどういうことかと言いますと、まず頭の中に明確なイメ...
ブックレビュー

レビュー『音楽する精神』アンソニー・ストー著

(初出2002年4月9日)副題に「人はなぜ音楽を聴くのか?」とあるように、本書は音楽と人間との根源的な関わりについて論じた骨太な音楽論です。古くはイデア論からショーペンハウアーを経つつ、新しい...
ブックレビュー

レビュー『バルトークの作曲技法』エルネ・レンドヴァイ著

(初出2002年4月9日)本書は、バルトークの音楽作品の特徴を「黄金比」「フィボナッチ数列」によって捉え分析を行った研究書です。『弦・打・チェレスタのための音楽』や『ピアノコンチェルト』、『ミ...
ブックレビュー

レビュー『音楽の認知心理学』リタ・アイエロ編著

(初出2002年4月10日)認知心理学および教育学、美学などの専門家たちによる、音楽をテーマとした研究論文集です。教育学の章などでは、心理学の実験現場からのレポートとしての色合いが濃く、音楽の...
ブックレビュー

レビュー『音を投げる―作曲思想の射程』近藤譲 著

(初出2009年1月4日)「線の音楽」という独自の作曲実践を通じて個性的な作品を発表する傍ら、音楽に対して根元的な問いの眼差しを向け続ける作曲家、近藤譲氏。本書は氏の二十年にわたる期間に書かれ...