エッセイ

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呪縛に想う

(初出1999年10月22日)過去、私が作曲をしていて思い煩う事が多かった呪縛と言えば、「表現したいことがあるのか」というものでしょう。これはどういうことかと言いますと、まず頭の中に明確なイメ...
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作曲行為の起動~『大作曲家があなたに伝えたいこと』を読んで

(初出2002年4月8日)物事には何でも始まりがあります。では、作曲行為にとって「始まり」とはどういったものなのでしょうか。最初の音が選択、決定されて、曲が姿を見せ始めるまでには、どういったこ...
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音楽における”歴史的問い”の喪失~『ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック』を読んで

(初出2002年4月8日)まずは本書の論考のひとつ、椹木野衣氏の「”音楽”の消滅とその<痕跡>」からの引用をご覧ください。美術史におけるマルセル・デュシャンの試みの例を引くまでもなく、近代以降...
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作曲後に襲い掛かってくる疲労感~『大作曲家があなたに伝えたいこと』を読んで

(初出2002年4月8日)本書は、百人に及ぶ作曲家の、作曲に関する発言をまとめたものです。それぞれの発言に対して、音楽学者である著者の千蔵八郎氏がコメントを添えています。その内容は、作曲家の紹...
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積み上げる作曲 その2~『現代音楽のポリティックス』を読んで

(初出2002年4月8日)シェーンベルク著「作曲の基礎技法」のコラム「積み上げる作曲~『作曲の基礎技法』を読んで」において、音楽の積木を積み上げる作曲についてお話ししました。本書の著者で作曲家...
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主題構造という作曲要素~『名曲の旋律学』を読んで

(初出2002年4月8日)クラシックの交響曲に代表されるような「大きな作品」の特徴は、見方を変えれば、「あの大きさにも関わらず全体がバラバラにならず、ひとつの音楽として統一感を感じることが出来...
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テクノロジーと作曲との関係~『ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック』を読んで

(初出2002年4月8日)監修者曰く、本書は「テクノロジーと表現、テクノロジーと文化、テクノロジーと人間や社会との共時的、通時的な関係を、音楽をモデルとして横断的に探求することを目的としたアン...
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“型”としての作曲技術~『作曲の基礎技法』を読んで

(初出2002年4月8日)まずこの本は、作曲の技術的側面に的を絞った技術書だと言えるでしょう。音楽としての「形」を成立させるための技術、身に付けるべき音楽の「型」といったものを、数個の音符から...
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建築は凍てれる音楽である(音楽の構造)~『音楽の不思議』を読んで

(初出2002年4月8日)古くから、音楽は建築と密接に並べて語られることが多かったようで、表題の「建築は凍てれる音楽である」という一文は、その例として本書内で紹介されているものです。この詩的な...
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積み上げる作曲~『作曲の基礎技法』を読んで

(初出2002年4月8日)著者は、作曲の初心者に対して次のようなアドバイスをしています。初心者は、これから創造しようとする楽曲を全体像として(一気に)心にえがくことは不可能である。そこで、簡単...